猫のダイエット方法!痩せたい猫の食事・マッサージ方法を紹介!
猫が肥満かを判断する
愛猫がぽっちゃりと太っていると可愛いものですが、健康状態のことを考えると「ダイエットさせるべきかも」と考えてしまいますよね。
ここでは猫の肥満について解説していきます。
まずは肥満かどうか判断する
猫の理想体型はご存じでしょうか?
猫にダイエットをさせたいと思っても、まず本当に猫が肥満であるか、ダイエットすべきなのかを判断する必要があります。
必要な脂肪もある
例えば、オス猫の場合、成熟すると顔回りに脂肪がつきます。
これは肥満のよるものではなく、闘いから首を守るためのものです。
このような脂肪もあるため、正しく体型チェックして肥満かどうかを判断する必要があります。
猫の肥満の度合いをチェックできる方法として、ボディコンディションスコア(BCS)という方法があります。
ボディコンディションスコアとは
ボディコンディションスコアとは、ペットの見た目や触った感覚で、適性体型かを判断する方法です。
チェックするポイントは下記の4つになります。
- 上からの見た目
- 横からの見た目
- 肋骨
- 腰
ボディコンディションスコアのチェック方法
ボディコンディションスコアのチェック手順は下記のようになります。
- 猫の体を横から見て、ウエストの部分のくびれをチェック
- 猫の体を上から見て、腰のくびれをチェック
- 肋骨を撫でて、どのくらい骨が浮き出ているかチェック
(長毛種の場合は、毛の下に手を入れて地肌に近いところで確認する) - ウエストの部分を触って、どのくらいくびれがあるかをチェック
- 腰の骨を触り、どのくらい浮き出ているかチェック
チェックが終わったら下記の表に当てはめ、5段階で評価することができます。
レベル | 状態 | ポイント |
BCS1 | 痩せ | 触っても脂肪がわからない。 肋骨、腰椎、骨盤が容易に見える。 首が細く、腰のくびれが目立つ。 脇腹のヒダがない。 |
BCS2 | やや痩せ | 多少の脂肪はあるが、背骨・肋骨を触るのが容易。 上から見て腰のくびれがわかる。 |
BCS3 | 理想的 | 肋骨は見えないが触ることができる。 上から見て肋骨の後ろに腰のくびれがわずかにある。 横から見て腹部の吊り上がり、脇腹のヒダがある。 |
BCS4 | やや肥満 | 肋骨を触ることが少し難しくなる。 腰のくびれは見えるがほとんどなく、はっきりとしてない。 横から見ると腹部は丸くなり、脇腹のヒダは垂れ下がる。 |
BCS5 | 肥満 | 脂肪が多く、肋骨を触ることが難しい。 腰のくびれがない。 歩くとお腹や脇腹のヒダが揺れる。 樽のような体型。 |
この結果から、猫が理想体型と比較してどのくらい痩せているか、太っているかがわかります。
猫の体型チェックをしておくことで、痩せすぎや肥満が原因で病気になることを防いだり、早期発見することもできます。
難しいと感じたら専門の方へ
猫の種類によっても理想体型は違うため、素人の判断では難しいでしょう。
その場合、自分が飼っている猫の理想体型について、獣医さんに聞いてみましょう。
運動しない猫は太る
運動不足はもちろん、猫が太る原因は様々です。
遺伝的にもともと太りやすい猫や、置き餌をしていて食事をちょこちょこ食べることが太る原因になっていることがあります。
食べないのに太る場合にも、いくつかの原因が考えられます。
加齢
猫も年齢を重ねると1日の大部分を寝て過ごすようになります。
激しい遊びをしなくなり、運動量が減っていきます。
また、代謝も落ちるため、体脂肪が増えていき太りやすくなります。
高齢になると今まで食べていたフードのカロリーでは高すぎてしまうので、年齢に合った食事が必要になります。
避妊手術
避妊手術をした猫はホルモンのバランスが崩れ、今までと同じ食事を与えることで太ってしまうことが知られています。
避妊手術をしたあとは、発情など生殖に使われるエネルギーが減ります。
また、おもちゃで遊んでくれなくなったり、食事量に気を付けないといくらでも食べてしまったりという猫も見られます。
避妊手術後は食事量や低カロリーで高たんぱくのフードに切り替えるなど、食事の見直しが必要となります。
▼猫の避妊手術についての記事はこちら
住環境
猫の飼育環境には、広さよりも高さが必要だといわれています。
キャットタワーなど猫が登れる高い場所がないと、猫はストレスを感じたり運動不足になって太ってしまいます。
また、猫にストレスがたまると、グルーミングをしすぎたり、爪とぎやスプレー行為など、様々な行動の変化が見られます。
猫と遊んであげたり、運動させることでストレスを解消してあげましょう。
病気やケガ
肥満の原因として考えられる病気の1つとして、『甲状腺機能低下症』や『クッシング症候群』などの内分泌系の病気があります。
お腹周りだけが太っている場合には、お腹に猫回虫がいたり、メス猫の場合は子宮蓄膿症で子宮に膿が溜まっていることがあります。
病気によって多食が見られ、体重が増加する場合があります。
また、関節炎やケガによる痛みで運動量が減ってしまっている場合も肥満につながります。
肥満が原因でかかる病気もある
逆に、心臓や呼吸器疾患、糖尿病やヘルニアなど、肥満が原因でかかりやすくなる病気もあります。
多頭飼いのダイエットは難しい?
多頭飼いのデメリットの1つに猫の肥満があります。
なぜ多頭飼いは太るのか
多頭飼いの猫が太ってしまう原因は、食事の管理が難しくなることです。
猫が1匹だけならその猫だけを見ていればいいのですが、猫の頭数が多くなると、どの猫がどれだけ食べたのかわからなくなってしまいます。
食事管理の悩み
多頭飼いの食事の管理の悩みとして、下記のようなことが挙げられます。
- 成長の段階によって必要な栄養素やカロリーが違うのに、他の猫の餌を横取りする猫がいる
- 置き餌をしていて、特定の猫だけが食べてしまう など
猫が自由にごはんを食べることができる環境では、肥満の猫だけ食事制限することができないため、ダイエットも難しくなります。
多頭飼いの食事の工夫
多頭飼いの猫のダイエットには、食事の際に工夫が必要になります。
食事中に監視する
方法の一つとして、飼い主さんが猫の食事を監視することが挙げられます。
どの猫のごはんなのかを認識させるために、食事の際に猫の名前を呼び、長く飼われている猫から、その猫に合った餌を与えます。
先住猫から先にごはんを与えることで、飼い主さんの愛情を受けていると感じさせ、猫のプライドを守ることができると言われています。
別々の部屋で与える
別の部屋やケージでごはんを与えることで、横取りを防ぐことができます。
置き餌をやめる
多頭飼いをしていると食事の準備も大変なので、猫が食べたいときに自由に食べることができる置き餌をしている人も多いでしょう。
しかし、置き餌をやめることも猫の肥満を防ぐことにつながります。
ごはんの時間を決め、決まった分だけを与えることが大切です。
▼置き餌についての記事はこちら!
猫のダイエットのための食事
猫の肥満はボディ・コンディション・スコアによって、猫の肋骨や腰・腹の皮下脂肪のつき具合を、見た目や手触りで判定します。
その結果、肥満と判断されるとダイエットが必要になります。
猫が一日に必要なエネルギー
一日に必要なエネルギーを計算する場合は、「安静時に必要とするエネルギー(RER:Rest Energy Requirement)」と「一日に必要なエネルギー供給量(DER:Daily Energy Requirement)」を計算します。
RERの計算
安静時に必要とするエネルギー(RER)の簡易式は下記のようになります。
RER=30×猫の体重+70
例として、体重が5kgとした場合の計算式は
RER=30×5+70=220キロカロリー
となります。
DERの計算
先ほど算出したRERに、その子の状況を応じた数値を掛けることで、猫が1日に必要とするエネルギー要求量(DER:Daily Energy Requirement)を算出できます。
肥満傾向にある場合は1.0を、ダイエット時には0.8を掛けます。
ダイエット中の猫の場合は
DER=220×0.8=176kcal
その他の猫の状況を分類した数値は下記のようになります。
猫の状態 | 計算する数値 |
避妊・去勢済みの猫 | 1.2 |
未避妊・未去勢の猫 | 1.4 |
妊娠中の猫 | 1.6 |
子育て中の猫 | 2 |
活発な成猫 | 1.6 |
食事量の考え方
猫の実際の摂取カロリーは、下記の様に算出します。
猫の体重×70~80kcal
これをDERと比較して摂取量が多い場合はダイエットフードの活用おやつを減らしたり、食事量を調節してカロリーを減らします。
1日の食事の適正量は、DERを実際のキャットフード100g当たりのカロリーで割り、100gを掛けることで出すことができます。
例としてキャットフード100g当たりのカロリーを400kcalとした場合、
1日の食事の適正量=176÷400×100=44g
ダイエット時の猫の体重5kgだった場合、100g当たり400kcalのフードの適量は44gとなります。
計算は目安となりますので、猫の様子を観察しながら調整しましょう。
ダイエットのための食事
ここからは、ダイエットのための食事の与え方について紹介していきます。
食事回数を増やす
食事回数を増やすことはダイエットに効果的です。
食事回数が増えると消費するエネルギー量が大きくなります。
一日の食事量はそのままにして、食事の回数を3回以上に分けましょう。
また、数回に分けることで空腹感も感じにくくなります。
おやつは少なめに
猫のダイエットでは、おやつはあくまで嗜好品なので少なめにしましょう。
ダイエットフードを与える
食事で痩せさせたいのなら低脂肪のダイエットフードがおすすめです。
ダイエットフードには、原料の違うものや、猫の年齢に合わせたものなど様々な種類があります。
中には国産の野菜を使用したなどもあります。
ただ食事量を減らしてダイエットさせようとすると、必要な栄養素まで足りなくなってしまう可能性があります。
ダイエットフードなら、必要な栄養素を摂取しながらダイエットしていくことができます。
ダイエット効果のあるマッサージ
猫の肥満にも、人と同じように効果的なマッサージ法があります。
ダイエット成功のために、運動や食事制限とともに行うとよいでしょう。
お腹マッサージ
猫と遊んでいるときや猫が甘えてきたときなど、猫と飼い主がともにリラックスできる状態で、お腹をマッサージをしてあげましょう。
方法
マッサージのやり方は、まず猫のお腹の肉の余っているところを手でつまんで、縦方向に軽く圧迫します。
2~3秒圧迫したら力を抜いて撫でてあげます。
これを猫が喜ぶ範囲で繰り返しまょう。
もしも痛がったり嫌がるようなら、すぐに中止してください。
効果
撫でることによって脂肪に刺激が加わり脂肪が燃焼しやすくなります。
猫の体のツボを押さえたマッサージは効果が高いですが、猫の体を触るだけでも猫も人もストレスを軽減でき、猫の体調の変化にも気づきやすくなります。
耳つぼマッサージ
猫には食欲を抑えるツボもあります。
それは耳つぼマッサージです。
方法
猫の耳の、耳たぶの分かれ目のすぐ上のあたりがツボです。
ツボを親指と人差し指で前後からつまみましょう。
猫が気に入るようなら、お腹と耳ツボ両方のマッサージで、よりダイエットの効果を期待できます。
マッサージの注意点
猫の体調が悪いときや空腹時、活発な運動のあとのマッサージは避けましょう。
また、持病がある場合は、事前に獣医さんに相談してください。
ペットボトルでできる猫のダイエット
家にあるペットボトルを利用して、簡単に猫のおもちゃを自作することができます。
おもちゃを利用することで、猫は楽しみながら自然に運動することができます。
ここで紹介するおもちゃは、猫の獲物を狩る習性にもマッチした、獣医さんもおすすめの方法です。
転がるペットボトルを追いかけることで、猫のストレスを発散することができます。
フードボール
1つ目のおもちゃはフードボールです。
フードボールは、餌が入ったボールのおもちゃで、猫が転がして遊ぶことで少量の餌が穴から出てくるようになっています。
これは猫の早食い防止につながるとされています。
フードボールの作り方
フードボールの作り方は下記の通りです。
- 500mlのペットボトルの側面に、カリカリタイプの餌が通る程度の穴(3cmほど)をカッターなどを使って2カ所開けます。
- 猫が怪我をしないように、穴の周りをビニールテープで補強します。
ボトルのキャップは付けたままにしておきましょう。
万が一キャップが外れてしまうと、猫が誤飲してしまう可能性があるのでしっかりと閉めましょう。
出てくる餌の量は、穴の大きさを変えたり、穴を増やして調節することができます。
簡単に作れるおもちゃ
もう1つのおもちゃは、ペットボトルキャップを利用して作ります。
- ペットボトルキャップを2個用意する。
- フタをよく洗って乾かしてから、中に1粒カリカリタイプの餌などを入れ、テープで留める。
キャップの中から音がすることで猫は興味を示し、前足で転がして遊びます。
こちらも猫の狩猟本能を利用した、猫に大人気のおもちゃです。
このおもちゃは小さいため、目を離すとテレビの下などの家具の隙間や靴の中などに入ってしまい、猫がなくしてしまうことがあるので注意しましょう。